数ある長時間正月特番に食傷気味の中、ほぼ唯一、長さを全く感じさせず見せ切ったドラマだった。

前作では木村拓哉の新しい側面として見せられた感もあったが、木村拓哉がいわゆる木村拓哉としてのイメージがいい感じに薄まってきた今、年齢も相まって、木村拓哉ということを感じさせることなく風間教官としてただそこに存在していた。

この役で、木村拓哉は木村拓哉しか演じることが出来ないなどというバカな戯言を一掃できる気がする。

また、生徒役の若手俳優のが素晴らしかった。
もはや若手では全くない濱田岳や福原遥、上白石萌歌、矢本悠馬が揃っているあたりで間違いないのだが。

その中でも、終始、ぶれることのなく見事に狂言回しを演じ切った戸塚純貴は面白かった。

ともすれば作品のテンポや方向性を崩しかねない、ギリギリの役なのだが、この手の役どころの立ち回りを完全にものにしていて、またストーリー展開的にも、その役どころに余分な深みを持たせず、あくまでも一般人を貫かせたのは圧巻だった。

さらに中盤さりげなく上手に見切れさせつつ、後半のキーポイントとしてこのドラマを引っ張ったといっても過言ではない岡崎紗絵。
何より彼女自身の演技を超えた出役としても魅力でこの人誰なんだろうと気にさせてからイイ気に話の中心を奪っていくあたりは女優としてのポテンシャル、ニュースターの誕生を見た。

サクラダリセットの時の玉城ティナを思わせる。

2021年数多くのドラマや映画で彼女の名前を見ることになるだろう。

こういうサプライズが起こるから、若手が多数出演するドラマは見逃せない。 さあ、2021年の冬ドラマにもどんなスターが生まれるのか、おなじみの俳優女優陣がどんな新しい顔を見せるのか、とても楽しみだ。

スタッフM

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